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2025.10.06
コラム
知らないと損!落葉樹を剪定する基本と福岡の気候に合わせたポイント
落葉樹の健康と美観を保つためには、樹種に合わせた適切な剪定が欠かせません。
枝の形を整えるだけでなく、病害虫の予防や風通しの改善にもつながります。
しかし、やみくもに枝を切ってしまうと、かえって木を傷めてしまうことも。
そのため、剪定には適切な時期と方法を見極めることが重要です。
特に気候が温暖で雨の多い福岡では、地域の特性に合った剪定の工夫が求められます。
福岡ならではの季節の流れや湿度、風の影響などをふまえた剪定が、木々を健やかに保つポイントになります。
本記事では、落葉樹を美しく保つための基本的な剪定の考え方を解説。
さらに、福岡の気候に合わせた剪定ポイントを紹介しますので、ぜひご覧ください。
落葉樹を剪定する基本とは?
剪定には目的と手順があります。
落葉樹に合った正しい知識を身につけることで、木を傷めずに美しく育てることができます。
まずは、基本の考え方を確認しましょう。
剪定の目的は「整える・守る・育てる」
剪定は、単に枝を短くする作業ではありません。
木の姿を整えるだけでなく、病害虫を防いで木が本来持つ力を引き出すための大切な手入れです。
落葉樹は四季を通じて表情を変えますが、剪定を適切に行うことで、その美しさを最大限に引き出すことができます。
さらに、混み合った枝を整理することで光や風が行き届きやすくなり、健康な成長をサポートできます。
剪定に適したタイミングを見極める
落葉樹の剪定に適しているのは、葉がすべて落ちた冬の休眠期です。
福岡のような温暖な地域では、春の芽吹きが早いため1月中旬までに作業を終えるのが安心です。
この時期であれば、切り口の乾きも早く、病原菌の侵入を防ぐことができます。
反対に、春以降は樹木が活動を始めるため、大きな剪定は控えるのが無難です。
剪定する際の基本的な考え方
剪定では、「どの枝を・どこで・どのくらい切るか」を慎重に見極める必要があります。
むやみに枝を落とすと、かえって木に負担がかかります。
①まずは枯れ枝や絡み合った枝を整理
②内側に伸びる枝や交差している枝をカット
③太い枝を切る場合は段階的に少しずつ
剪定後の木の姿をイメージしながら、自然な樹形を意識することがポイントです。
剪定のしすぎに注意する
ついつい剪定が楽しくなり、枝を切りすぎてしまうケースも見られます。
しかし、切りすぎは木の生命力を削ぐ原因になります。
特に落葉樹は、一度に大きく切ると回復に時間がかかります。
1回の剪定では、全体の3割程度を目安に抑えるとよいでしょう。
必要以上に切らず、翌年以降に持ち越すくらいの余裕を持つことが大切です。
剪定に適した時期はいつ?

剪定の成果を最大限に引き出すには、時期の見極めが重要です。
特に落葉樹は、成長のサイクルに合わせたタイミングで剪定を行うことが大切。
そうすることで、樹木への負担を最小限に抑え、健やかな育成につながります。
剪定のベストシーズンは「冬の休眠期」
落葉樹は、冬になると葉をすべて落とし、春の芽吹きに備えてエネルギーを蓄えます。
この、休眠期と呼ばれる時期こそ、剪定に最も適しています。
休眠期に剪定を行うことで、切り口から余計な水分が出にくくなり、雑菌の侵入リスクを軽減できます。
また、葉が落ちていることで枝の構造が見えやすくなり、全体のバランスも取りやすくなります。
福岡での剪定は1月中旬までが目安
福岡は全国的に見ても気候が温暖で、春の訪れが比較的早い地域です。
そのため、2月に入るとすでに新芽が膨らみ始めることがあります。
この時期に剪定を行うと、芽や若い枝を傷つけてしまう恐れがあります。
そのため、福岡では1月中旬までに剪定を終わらせるのが理想的です。
気温が高くなるほど、切り口の乾燥に時間がかかり、樹木にかかる負担も大きくなります。
年明け早々の寒い時期を狙って、計画的に剪定を進めましょう。
落葉樹の種類によって適期が前後する
落葉樹は全て同じタイミングで剪定できるわけではありません。
種類によって休眠期の入り方や芽吹きの時期に違いがあるため、樹種ごとに微調整が必要です。
たとえば、モミジやサクラなどは比較的早く芽が動き出すため、12月中に軽めの剪定を行うのが安心です。
一方で、イチョウやナンテンなどは2月でも対応できる場合があります。
ただし、初めての剪定や判断に迷う場合は、できるだけ早めに着手するほうが安全です。
落葉樹の基本的な剪定ポイント
剪定は、樹木の状態や目的によって切り方が変わります。
ここでは、落葉樹を美しく健やかに保つための基本的な剪定ポイントをご紹介します。
剪定の目的を明確にすることが第一歩
剪定には、下記のようにさまざまな目的があります。
・見た目を整える
・樹木の健康を保つ
・成長をコントロール
たとえば、庭の景観を重視するなら整枝剪定で形を整え、枝が混み合っているなら間引き剪定で風通しを良くします。
老木や弱った木には、古い枝を更新する更新剪定が効果的です。
落葉樹にとって必要な剪定の種類を選ぶには、樹木の状態や生育環境を観察することが大切です。
枝の切り方にもルールがある
剪定では、どこをどのように切るかが非常に重要です。
むやみに枝を切ると切り口から病気が広がったり、木が不自然な形になったりすることがあります。
落葉樹を剪定するときの基本は、以下の通りです。
・芽の少し上で斜めに切る
・幹との付け根に近い位置でスパッと切る
・太い枝は一気に切らず、数回に分けてカット
また、枝の方向や重なりも意識して、将来の枝ぶりを想像しながら剪定することで、自然で美しい樹形が保てます。
剪定は切りすぎないのが鉄則
初心者にありがちなのが、たくさん切ったほうがいいと思ってしまうことです。
しかし、剪定のしすぎは樹木の負担になり、逆効果になる場合があります。
特に落葉樹は、枝の量が減ることで日光が当たりすぎたり、水分の蒸発が早まったりと、バランスを崩しやすくなります。
剪定の目安は、1回の作業で全体の3割以内。
それ以上切ると、木が回復するのに時間がかかり、弱ってしまう可能性が高くなります。
剪定は計画的に行い、適度に切るのが基本。
美しい庭木を保つには、一度に完璧を目指さず、毎年少しずつ整えていく気持ちが大切です。
▶︎庭木剪定のポイントについての記事はこちらから
福岡の気候に合わせた剪定ポイント
剪定は、地域の気候によっても方法が異なります。
福岡のように湿度が高く、台風も多い地域では、気候特性に応じた剪定の工夫が求められます。
湿度と気温が高めな地域での注意点
福岡は一年を通して湿度が高く、樹木が病害虫の影響を受けやすい環境にあります。
このような気候では、枝が混み合ったままだと風通しが悪くなり、菌が繁殖しやすくなります。
そのため、剪定では間引きを意識することが重要です。
内側に向かって伸びる枝や交差している枝、日光を遮るような枝は積極的に整理しましょう。
適度に切って、風の通り道をつくることが落葉樹の健康を守る第一歩です。
剪定時期の見極めはより慎重に
福岡では春の訪れが早く、2月になるとすでに芽が膨らむ木もあります。
この時期に剪定を行うと、芽や新しい枝を傷つけてしまい、木の成長を妨げかねません。
そのため、剪定は遅くとも1月中旬までに済ませるのが安心です。
1月を過ぎてからの剪定は控えめにし、必要最低限にとどめるようにしましょう。
また、切り口には癒合剤を塗るといった処置も大切です。
台風に備えた剪定も大切
福岡では、夏から秋にかけて台風の影響を受けることが多くあります。
長く伸びた枝や弱った枝は、強風で折れたり飛んだりして、思わぬ被害につながりかねません。
そのため、春の終わりや梅雨入り前に、台風対策としての剪定を行うのも効果的。
ただし、この時期の剪定は軽めにとどめ、樹木への負担を抑えることが大切です。
枝の量を適度に調整することで、風の抜け道が生まれ、倒木や枝折れのリスクを軽減できます。
よくある落葉樹の種類と剪定のコツ

剪定の基本を押さえたら、次は木の種類に応じた対応が大切です。
落葉樹とひと口に言っても、その特性はさまざま。
ここでは、庭木として人気のある代表的な落葉樹に絞り、それぞれの剪定ポイントをご紹介します。
モミジ(カエデ類)
モミジは繊細な枝ぶりと、秋の紅葉が魅力の落葉樹です。
剪定をする際は、樹形の自然さを壊さないように行うことが大切です。
また、剪定時期は12〜1月が理想的。
葉が落ちて枝の流れが見やすくなったタイミングで、混み合った部分を軽く整えます。
勢いよく切りすぎると枝数が減り、翌年の葉が少なくなってしまいます。
そのため、枝のバランスを見ながら慎重に剪定しましょう。
サクラ
サクラは花が咲く姿が美しく、春の代表的な庭木です。
ただし、剪定によって傷口が大きくなりやすく、病気にもかかりやすい木としても知られています。
そのため、太い枝は基本的に切らず、細い枝を整理する程度にとどめます。
剪定はできるだけ12月中旬までに軽めに実施し、切り口が雨にさらされないよう注意が必要です。
ハナミズキ
春に優しい花を咲かせるハナミズキは、枝ぶりが比較的ゆるやかで、剪定も難しくありません。
ただし、強く切ると花芽を落としてしまうため注意が必要です。
剪定時期は12〜1月ごろ。
枯れ枝や下向きの枝を整える程度で十分です。
このように自然な樹形を活かしたやさしい剪定が、翌年の花つきにもつながります。
イチョウ
イチョウは成長が早く、枝が広がりやすいため定期的な剪定が必要です。
放っておくと樹形が乱れ、隣家や道路に枝がはみ出すこともあります。
剪定のタイミングは、12〜1月に行いましょう。
主幹を中心に樹形を整え、不要な枝を元からしっかりカットするのがコツです。
高さを抑える目的での強剪定も可能ですが、翌年の芽吹きに備えて切り口のケアも忘れずに。
剪定に必要な道具と安全対策
剪定を行う際は、木の状態に合わせた道具と万全の安全対策が欠かせません。
道具の選び方や使用方法を知っておくことで、作業効率が上がるだけでなく、ケガや事故の予防にもつながります。
剪定道具は適材適所が基本
落葉樹の剪定には、さまざまな道具が必要です。
ただ揃えるだけでなく、枝の太さや高さに応じて使い分けることが大切です。
・剪定バサミ
・剪定ノコギリ
・高枝バサミ
・脚立
・手袋・保護メガネ
剪定に使用する道具の基本は、剪定バサミやノコギリです。
枝の太さに合わせて、適したものを使用しましょう。
また、高所作業も多くなるため、高枝バサミや脚立を使って安全に作業することも大切です。
さらに、トゲや木屑での怪我を防ぐためにも、手袋と保護メガネを着用しておくことをおすすめします。
これらの道具は、使用後にしっかりと手入れすることも忘れてはいけません。
切れ味が落ちたまま使い続けると、枝を潰してしまい剪定効果が薄れる原因になります。
安全に剪定するための心構え
剪定は屋外で行う作業であり、思わぬケガや事故のリスクも伴います。
特に高所作業では、安全対策を怠らないことが何より大切です。
・作業は必ず晴れた日を選び、地面がぬれていないか確認
・脚立を使うときは、平らで安定した場所に設置
・一人での高所作業は避け、できるだけ家族や第三者に見守ってもらう
・手元に道具を置きすぎず、足元のスペースを確保
・長時間の作業は控え、休憩を取りながら無理なく進める
また、剪定中に鳥の巣やハチの巣を見つけた場合は、安全のため無理に近づかず専門の駆除業者に相談するようにしましょう。
剪定に不安がある場合はプロに相談を

剪定は自分でも取り組めますが、すべてを無理にひとりで抱え込む必要はありません。
特に高木や複雑な樹形の落葉樹、体力的に不安のある方は、専門業者への依頼も視野に入れましょう。
剪定のプロに依頼するメリット
専門業者は剪定の知識と経験をもとに、木の状態や環境を的確に見極めて作業を行ってくれます。
単に枝を切るだけでなく、樹木の成長バランスや翌年の姿まで見据えた剪定が可能です。
さらに、以下のような安心ポイントもあります。
・高所作業の安全確保
・後片づけまで丁寧
・定期的な管理も可能
専門業者に依頼すると、専用の器具を用いて安全かつ迅速に対応してくれます。
また、剪定で切った枝はの後片付けや処理も任せられるるため、負担軽減につながります。
特に福岡のように気候の変化が大きい地域では、地域の特性に詳しい剪定のプロに任せることが、木の健康を守る近道になることもあります。
剪定業者を選ぶときのポイント
初めて剪定業者を利用する場合は、以下のような点に注目すると安心です。
・地元での施工実績があるか
・事前に現地調査や見積もりを行ってくれるか
・対応が丁寧で、剪定の説明もわかりやすいか
・剪定後のメンテナンスやアフターサポートがあるか
プロに相談することで、手間やリスクを減らしながら、理想の庭づくりを実現できます。
まとめ
剪定は、落葉樹の美しさと健康を守るための大切な手入れです。
正しい時期に、木の状態に合った方法で行うことで、木が本来持つ力を引き出せます。
特に福岡のように気候の変化が大きく、湿度や台風の影響もある地域では、その土地に合った剪定の工夫が必要です。
間引き剪定で風通しを確保したり、春先を避けて冬のうちに済ませたりと、地域性を考慮した判断が、木の健やかな成長につながります。
また、剪定は無理をせず、必要に応じて専門の業者に相談することも選択肢の一つです。
正しい知識と経験を持ったプロに任せることで、安心・安全に庭の美しさを保てます。
ご自身での剪定に迷ったときや、高木の作業に不安があるときは、ぜひ気軽にプロの手を借りてみましょう。
ダスキン荒江トータルグリーンでは、樹木の種類に合わせた適切な剪定を行なっています。
また、芝生のお手入れや庭木の年間管理、造園などのご依頼も可能です。
お庭の管理を通して、より豊かな暮らしを叶えるお手伝いをいたしますので、お気軽にご相談ください。